Firebaseの新機能: Google I/O 2017での発表内容
2017年5月のGoogle I/Oで、Firebaseチームは多くの新機能と改善点を発表しました。Firebaseは、開発者がアプリをより良くする手助けをするために日々進化しており、特にこの一年は多くの革新がありました。以下に、今回の発表で特に注目すべきポイントをまとめました。
Fabricとの統合
最初の大きなニュースは、FirebaseがFabricチームを迎えることです。Fabricは、業界トップのクラッシュレポーティングツール「Crashlytics」で知られています。FirebaseとFabricのチームは協力し、CrashlyticsをFirebaseの主要なクラッシュレポートツールとして統合する予定です。もしまだクラッシュレポートツールを使用していないのであれば、Crashlyticsを試してみることをお勧めします。
電話認証機能の追加
Firebase Authenticationでは、電話番号による認証が最大のリクエストでした。このため、FabricのDigitsチームと連携し、電話認証を導入しました。これにより、ユーザーはメールアドレスやGoogle、Facebookなどのアイデンティティプロバイダーだけでなく、電話番号でもサインインできるようになります。
Digitsを利用しているユーザーは、今後数週間内に既存のDigitsアカウントをFirebaseにリンクさせ、新しいFirebase SDKに切り替えることが可能になります。
Firebase Performance Monitoringの導入
アプリのパフォーマンスの悪さや安定性は、ユーザーの離脱や低評価の主な原因となります。これを踏まえて、Firebaseは新しい無料ツール「Performance Monitoring」をベータ版で発表しました。このツールは、パフォーマンスの悪化がユーザー体験にどのように影響するかを理解する手助けをします。
より堅牢なアナリティクス
アナリティクスはFirebaseプラットフォームの中核であり、ユーザーの理解はアプリ成功の鍵となります。そのため、Firebaseのアナリティクス製品の改善に力を入れています。今回、Firebase Analyticsが「Google Analytics for Firebase」と名前が変更され、FirebaseコンソールおよびGoogle Analyticsインターフェースの両方でレポートが利用可能となります。
さらに、AdMobでアプリを収益化している開発者には、データの共有も行われ、購入とAdMob収益の両方からユーザーの真のライフタイムバリュー(LTV)を把握できるようになります。
すべてのデベロッパーのためのFirebase
Firebaseはすべての開発者がより良いアプリを構築できるよう手助けすることを使命としています。そのため、iOSやゲームの開発者に対するサポートも強化されました。特に、Swift開発者に向けてSDKが改善され、Firebase Cloud Messagingも簡素化されました。
ゲーム開発コミュニティからは、フレームレート(FPS)が重要な指標だと聞き、Test LabにFPSモニタリング機能を追加しました。これにより、ゲームを展開する前にフレームレートを評価できるようになります。
Cloud Functions for Firebaseを用いた動的ホスティング
2017年3月、Firebaseは「Cloud Functions for Firebase」を発表し、カスタムバックエンドコードをFirebaseの機能やHTTPリクエストによって実行できるようになりました。これにより、ユーザーがサインアップしたときに通知を送ったり、画像がCloud Storageにアップロードされた際にサムネイルを自動生成することが可能になります。
今回、Firebase HostingがCloud Functionsと統合され、静的リソースだけでなく、動的コンテンツも提供できるようになります。これにより、完全にサーバーレスなプログレッシブウェブアプリを構築できるようになります。
Firebase Alphaプログラムと今後の展望
Firebaseは、使いやすい製品、優れたドキュメント、直感的なAPIを目指しています。そして、開発者からのフィードバックがFirebaseをより良くする最良の資源です。この取り組みの一環として、新しい「Firebase Alphaプログラム」を発表しました。このプログラムに参加することで、最先端の製品を試す機会を得ることができます。
まとめ
Firebaseはこれからも開発者と共に成長し、アプリ開発をよりシンプルかつ直感的なものにするための取り組みを続けていきます。新機能を活用し、ぜひ素晴らしいアプリを作ってみてください。さらに詳しい情報は、Firebaseの公式サイトで確認できます。