Google I/O 2015: モバイル体験を革新する新しい発表
2015年5月28日、Googleはサンフランシスコのモスコーニセンターで第8回年次Google I/Oカンファレンスを開催しました。このイベントには5600人の開発者が参加し、世界中の530のI/O Extendedコミュニティや数百万のライブストリーミングユーザーがいました。今年のテーマは「Develop(開発)」「Engage(関与)」「Earn(収益)」で、モバイル体験の向上とビジネス成功に向けた新しいツールが紹介されました。
新たな開発ツールの発表
「Develop」のセクションでは、開発者が利用できる新しいツールや技術が発表されました。
- Android M Developer Preview — 次期Androidのプレビュー版が提供され、開発者は新機能に早期にアクセスできます。
- Google Play services 7.5 — Smart Lock for PasswordsやGoogle Cloud Messaging、Android Wearデバイス向けのGoogle Maps APIなどの新機能が登場しました。
- Android Studio 1.3 — Gradleビルド速度の改善やメモリプロファイラの追加、C/C++の完全な編集とデバッグサポートが加わりました。
- Polymer 1.0 — Webコンポーネントライブラリの初の生産準備完了版が発表され、ツールバーやメニュー、オフラインキャッシングなどの新製品が追加されました。
- Cloud Test Lab — Appurifyの技術を活用し、モバイルアプリのテストを自動化するCloud Test Labが導入されます。
- Firebase — サーバーを立てたりサーバーサイドのコードを書くことなく、迅速にアプリを構築できるFirebaseが支援してくれます。
Engagement(関与)の強化
次に、「Engage」に関連する新機能が発表され、開発者が自分のアプリをどのようにユーザーとつなげるかが強調されました。
- App Indexing — アプリのコンテンツをGoogle検索にインデックスできます。これはウェブサイトと同様に機能します。現在はAndroid用、iOSでも試験的に利用可能です。
- Google Cloud Messaging — AndroidやChromeのユーザーのデバイスにクラウドからメッセージを送る手段として人気のGCMが、iOSでも利用できるようになります。
- Engagement on the Web — モバイルウェブサイトからのプッシュ通知の送信用に、以前は利用できなかったネイティブ機能がアクセス可能になります。
収益化の戦略
最後に、「Earn」に関する新たな機能が発表され、開発者がアプリを通じてどのように収益を上げるかが強調されました。
- AdMob — アプリの収益化を一つのプラットフォームで管理し、ユーザーインサイトを得ることができます。
- Universal App Campaigns — 自動的にアプリインストール広告を設定し、予算やユーザー獲得コストだけを入力すれば済みます。
- Google Analytics — アプリインストールキャンペーンをエンゲージメントやライフタイムバリューに基づいて測定できます。特にiOSでは20以上の広告ネットワークと統合されるため、予算配分を簡単に把握できます。
未来志向の学び
さらに、未来を見据えた開発者育成への取り組みも行われ、以下の内容が紹介されました。
- Android Nanodegree — Udacityとの協力により、業界初のAndroidナノ学位が提供されます。このカリキュラムはAndroid開発の基礎から高度な技術までをカバーしています。
- Cardboard SDK — Unity向けのCardboard SDKがAndroidとiOSの両方に対応しました。
Google I/O 2015は、開発者に対しモバイル環境での革新を促し、成功するアプリの構築を後押しするための多くのツールを提供しました。今後、開発者たちがどのようにこれらのツールを駆使して新しいモバイル体験を作り出すのか、非常に楽しみです。