Firebase Crashlyticsがベータ版を卒業し正式リリースへ

Firebase Crashlytics:ベータ版から一般提供へ移行

2018年3月19日、FirebaseはFirebase Crashlyticsのベータ版を卒業し、新たに一般提供を開始しました。この出来事は、アプリ開発者にとって非常に大きな意味を持っています。Firebase Crashlyticsは、ユーザーのアプリにおけるクラッシュを追跡、優先順位付け、修正するための最高のクラッシュレポートツールとして、これまでに3年以上の実績があります。

Crashlyticsの主な機能

新たに一般提供となったCrashlyticsには、いくつかの重要な新機能が追加され、サービスの信頼性がさらに向上しました。以下にその特徴を紹介します。

  • Analyticsイベントとの統合

    Firebase Crashlyticsの「パンくずリスト」機能は、多くのユーザーが愛用しています。この機能では、クラッシュ前のユーザーアクションを辿るためのAnalyticsイベントが自動的に生成されます。新たに、FirebaseコンソールのCrashlyticsセクションでこのパンくずリストを表示できるようになり、問題のトリアージを容易にすることができます。

  • クラッシュインサイト

    Crashlyticsは集約されたクラッシュデータを広範に分析し、共通のトレンドを自動的に明らかにします。たとえば、UIKitの不正なレンダリングが広がっている場合、その問題を最優先で対処する必要があることが示されます。このインサイトにより、開発者はより情報に基づいた決定を行い、デバッグの効率を最大化することができます。

  • 重要なビルドのピン留め

    多くのビルドの中でも特に重要なものを「ピン留め」することで、コンソールの上部に表示されるようになりました。ピン留めされたビルドは、チームメンバーのコンソールにも表示されるため、協力が容易になります。

  • dSYMのアップロード

    Crashlyticsは、安定性の問題を示すためにdSYMファイルを自動的にアップロードしますが、複雑な状況によって正常にアップロードできない場合があります。新たに、Crashlyticsコンソール内で手動でdSYMをアップロードできるツールがリリースされました。

Firebaseのデフォルトのクラッシュレポーター

Firebase Crashlyticsの一般提供に伴い、Firebase Crash Reportingは廃止されることが発表されました。これにより、Firebaseは一つのクラッシュレポーターに集中することができ、ユーザーにより良いサービスを提供できるようになります。Firebase Crash Reportingの既存データにアクセスする必要がある場合は、CrashlyticsからCrash Reportingに切り替えることができますが、このサービスは2018年9月8日をもって完全に廃止されます。

Crashlyticsへのアップグレード

Crashlyticsへのアップグレードは非常に簡単です。プロジェクトのコンソールにアクセスし、左側のナビゲーションからCrashlyticsを選択し、「Crashlyticsを設定」をクリックするだけです。さらに、FirebaseとFabricを同時に使用している場合には、簡単にリンクすることも可能です。

まとめ

Firebaseは、開発者がアプリの安定性を確保するための素晴らしいツールを提供しています。Firebase Crashlyticsは、デバッグプロセスを簡単にし、より効率的に問題を解決するための多くの機能を持っています。これからもしっかりとCrashlyticsを活用し、アプリを改善していきましょう。

このリリースに関するフィードバックを受け付けており、今後もCrashlyticsの改善に努める意向が示されています。開発者にとって、堅牢なアプリを提供するための強力なサポートとなることでしょう。