Firebase AnalyticsとBigQueryを使ったモバイルアプリのデータ分析
モバイルアプリの開発において、ユーザーの行動やアプリの使用状況を理解することは非常に重要です。Googleが提供するFirebaseとBigQueryを組み合わせることで、開発者はアプリのパフォーマンスを詳しく分析し、より良いユーザー体験を提供するための貴重なインサイトを得ることができます。本記事では、Firebase AnalyticsとBigQueryの連携について詳しく解説します。
Firebase Analyticsとは?
Firebase Analyticsは、iOSおよびAndroidアプリの使用状況を自動的にキャプチャし、カスタムイベントを定義するためのツールです。このツールを使用することで、開発者はユーザーの行動を追跡し、アプリの改善に役立てることができます。作成したデータはFirebaseコンソールのダッシュボードで見ることができます。
BigQueryへのデータエクスポート
FirebaseプロジェクトをBigQueryにリンクすると、Firebaseは毎日新しいテーブルを自動的にエクスポートします。特に、iOSとAndroidの両方のバージョンを持つアプリの場合、それぞれのプラットフォームに対して独立したデータセットが作成されます。たとえば、ある1週間のデータをエクスポートした場合、BigQueryプロジェクトには各プラットフォームのデータセットが用意されます。
データの詳細な分析
Firebase Analyticsからエクスポートされたデータは、ユーザーの活動や人口統計に関する情報を含んでいます。これにより、開発者はアプリがどのように使用されているかを知ることができ、ユーザーの行動を深く理解することが可能になります。
- ユーザーデータ: 各ユーザーのユニークなアプリアイデンティティやデバイス情報が含まれ、ユーザーの言語や地域を把握できます。
- イベントデータ: アプリ内でのカスタムイベント(アイテム購入やボタンのクリックなど)がトラッキング可能です。
ユーザーデータの取得
たとえば、特定の日におけるiOSユーザーの基本的な人口統計情報を取得する場合、次のようなクエリを実行します。
SELECT user_dim.app_info.app_instance_id,
user_dim.device_info.device_category,
user_dim.device_info.user_default_language,
user_dim.device_info.platform_version,
user_dim.device_info.device_model,
user_dim.geo_info.country,
user_dim.geo_info.city,
user_dim.app_info.app_version,
user_dim.app_info.app_store,
user_dim.app_info.app_platform
FROM [firebase-analytics-sample-data:ios_dataset.app_events_20160601]
イベントデータのログ
Firebase Analyticsでは、各種イベントを簡単にログとして記録できます。たとえば、特定の日におけるAndroidアプリ内の発生イベントの数を追跡するクエリは次のようになります。
SELECT event_dim.name,
COUNT(event_dim.name) AS event_count
FROM [firebase-analytics-sample-data:android_dataset.app_events_20160601]
GROUP BY event_dim.name
ORDER BY event_count DESC
分析データの可視化
収集したデータをよりわかりやすくするために、GoogleのData Studioを使用して分析結果を可視化することができます。Data StudioはBigQueryのテーブルから直接データを読み込み、様々な種類のチャートを生成できます。これにより、ユーザーがどのデバイスからアプリにアクセスしているのかを視覚的に把握することができます。
次のステップ
- Firebaseを初めて利用する場合は、こちらから始めましょう。
- すでにFirebaseでモバイルアプリを開発している場合は、FirebaseプロジェクトをBigQueryにリンクする方法について詳しくはこちら。
FirebaseやBigQueryに関する質問があれば、BigQueryのリファレンスドキュメントや、Stack Overflowのfirebase-analyticsタグを参照すると役立つでしょう。分析を通じてモバイルアプリの向上を目指しましょう!