Kaggleにおける機械学習コミュニティのハイライトと実績(2021年第3四半期)
機械学習の分野での進展は、皆が関わることで成り立っています。ここでは、2021年第3四半期におけるGoogle機械学習コミュニティの浮き彫りとなる活動や成果を紹介します。地域ごとの専門家(GDE:Google Developer Expert)、コミュニティ(TFUG:TensorFlowユーザーグループ)、学生(GDSC:学生クラブ)、開発者グループ(GDG)の活動を振り返ります。
主なハイライト
- 30 Days of ML with Kaggleは、Kaggleの学習コースを使って機械学習を学びたい初心者向けのプログラムです。このプログラムには、30名以上のML GDEやTFUGの主催者たちがボランティアとして参加し、オンラインメンターやスピーカーとして貢献しています。
- 全体で16のGDE/GDSC/TFUGが、共有されたコミュニティ組織ガイドに従って、地域に根ざしたプログラムを運営しました。
- ヒューストンのTensorFlow & Applied AI/MLチームは、7573チーム中6位を獲得し、アメリカのチームでは唯一トップ10入りを果たしました。
- 日本のGDE松田実(Minori Matsuda)は、コカ・コーラボトラーズジャパンのために作成したMLパイプラインを2か月で実装し、Google Cloud Japan Blogに掲載されました。
アジア太平洋地域の成果
- 韓国のGDEチャンスン・パク(Chansung Park)やインドのサヤク・ポール(Sayak Paul)が、GCP Blogに多くの技術記事を寄稿しました。特に「自然言語クエリによる画像検索」は、OpenAIのCLIPモデルを利用した画像パーサーの構築方法を説明しています。
- 中国のGDEジュンペン・イェ(Junpeng Ye)は、WeChatのTikTok代替アプリであるWeChat Finderで、TensorFlow 2.xを使ってコードベースを15,000行から2,000行に削減しました。
北アメリカの活動
- アメリカ・テキサス州のGDSCは、ML GDEヘンリー・ルイス(Henry Ruiz)主催の初心者向けTensorFlowワークショップを開催しました。
- カナダのGDEタナメイ・バクシ(Tanmay Bakshi)は、YouTubeで「Self-Attention Explained: How do Transformers work?」というビデオを公開し、Transformersを用いたプログラミング言語の分類モデルについて解説しました。
南アメリカでのイニシアチブ
- ブラジルのGDEウーゴ・ザニーニ・ゴメス(Hugo Zanini Gomes)は、「TensorFlow.jsを用いたブラウザでのカスタムオブジェクト検出」に関する記事を投稿しました。
- チリのTFUGサンティアゴは、「Kaggleで上位1%に入るための手法」に関するセミナーを開催しました。その中で、ライブラリや「トリック」を駆使してアイデアを迅速にテストする方法を共有しています。
中東および北アフリカ地域の発表
- サウジアラビアのGDEルキヤ・ビン・サフィ(Ruqiya Bin Safi)は、GDG Menaで「再帰型ニューラルネットワーク」に関するワークショップを開催しました。
- パレスチナのGDSCは、データ処理、画像処理、NLPを扱ったAIトレーニングをKaggleで行いました。
サブサハラアフリカの取り組み
- ナイジェリアのTFUGイバダン(Ibadan)は、「TensorFlowを用いた基本的な感情分析」と「リコメンデーションシステム入門」という2つのイベントを開催しました。
- カメルーンのML GDEヤンニック・セルジュ・オバム・アク(Yannick Serge Obam Akou)は、TensorFlow開発者試験に合格するためのヒントをフランス語で記事にして公開しました。
これらの活動は、地理的な枠を超えて人々が知識を共有し、成長し続ける助けとなっています。これからもコミュニティの力を借りながら、機械学習を広めていくことが大事です。興味がある人はぜひ、自分自身で実践してみてください。コミュニティに参加することで、多くの人と出会い、新たな知識を得ることができるでしょう。