AR技術で進化した「SPACE INVADERS: World Defense」
2023年に、45周年を迎えた宇宙侵略者ゲーム「SPACE INVADERS」を祝うため、Googleは日本の開発会社TAITOとUNIT9と協力し、「SPACE INVADERS: World Defense」という拡張現実(AR)ゲームをリリースしました。このゲームは、プレイヤーが自分の地域を探索し、周囲の建物から出現する仮想の敵「宇宙侵略者」を撃退するという新しい体験を提供します。ここでは、どのようにしてこの革新的なARゲームが開発されたのか、その裏側を詳しく見てみましょう。
最新技術で実現するリアルなゲーム体験
このゲームは、Googleの最新のARCore技術を活用しており、Geospatial API、Streetscape Geometry API、Geospatial Creatorを使用して作られています。この技術により、ARによって現実世界が遊び場に変わるのです。
- Geospatial API: Google Street Viewでマッピングされた地域にコンテンツを遠隔で追加し、現実のロケーションにリンクしたよりリッチな体験を提供します。
- VPSカバレッジ: ゲームは100カ国以上で利用可能で、都市部や小さな町でのゲームプレイに適応しています。
- Indoor Mode: VPSカバレッジがない地域に住むプレイヤーのために、「Indoor Mode」を追加し、屋内外問わずプレイできるようにしました。
ユーザーフローの設計
ARCore Geospatial APIは、ユーザーのデバイスのカメラ画像を使用して特徴点をスキャンし、Google Street Viewの画像と比較することで、リアルな位置を正確に特定します。このプロセスを促すために、ユーザーはカメラの視界に宇宙船を捉え続ける必要があります。これにより、地域をスキャンするためのデータが効果的に集まります。
- ユーザーは地域をスキャンすることで、自動的に高品質な体験が得られます。
- データが十分に集まることで、ゲームのトラッキングの精度が向上します。
環境を遊び場に変える技術
周囲のエリアがスキャンされた後、Streetscape Geometry APIから得られたメッシュデータを使用して、さまざまな場所でゲームをプレイするユニークな体験を提供します。具体的には、異なる地域の建物の地形を使って、ゲームプレイの多様性を確保しています。
- ゲームプレイは、チェコ共和国の小さな町やニューヨークの都市といった具体的な場所によって変化します。
- 建物から「SPACE INVADERS」が出現する仕組みを構築しました。
プレイヤーの快適さを考慮した機能
従来のAR体験では、長時間デバイスを持ち上げていることがプレイヤーに負担になることが分かっています。そこで、ゲーム開発時には「Invader’s dimension」に入る機能を取り入れ、プレイヤーがリラックスできる時間を提供しました。
- 現実のARから3D次元へのシームレスな移行を実現しました。
- 仮想環境のシェーダーを使って、リアルな建物や地形を描画しています。
グローバルなゲーム体験を目指して
このゲームを構築する過程で、複雑な文脈生成が必要であることを学びました。Unityを使用して、複数の環境をテストケースに取り入れ、アルゴリズムの変更を迅速に検証しました。これにより、ゲームを安心してグローバルに展開できるようになりました。
- Geospatial Creatorを使って、仮想コンテンツが特定のランドマークのそばでどのように表示されるかを実驗しました。
- 日本の東京タワー周辺で「SPACE INVADERS」を可視化しました。
今後のアップデートとリリース
ゲームの発表以来、プレイヤーのフィードバックをもとに、ゲーム体験を不断に改善しています。新しい「Indoor Mode」を追加し、ARモードを使用しないプレイヤーにも楽しんでもらえるようにしました。また、外でプレイするユーザーを奨励するために、スコアのバランスを見直しました。
「SPACE INVADERS: World Defense」は、AndroidおよびiOSで現地のスコア争いを楽しむためにダウンロード可能です。最新のゲームアップデートについては、Twitter(@GoogleARVR)でフォローして、GoogleのAR技術を使用して自分自身でコンテンツを作成する方法を学んでください。
このようにして、GoogleはAR技術を活かした新たなエンターテインメントの形を提供し、多くのプレイヤーに楽しさを届けています。