Googleの新しい地理空間AR機能の紹介
2024年5月15日、GoogleはI/Oイベントにおいて、地理空間AR(拡張現実)技術の新機能を発表しました。これにより、ユーザーがどのように新たな体験を得ることができるのか、また開発者がどのようにコンテンツを作成できるのかが大きく変わることが期待されています。この技術は、従来のAR体験を一新し、現実の場所にデジタル属性を追加することが可能になります。
新しいリッチなAR体験の創出
近年、ユーザーは物理的な場所にデジタルコンテンツを追加することで、より直感的に体験を発見できるようになりました。例えば、CESでのAndroidバーチャルガイドを通じて、訪問者が現地イベントをどのように体験するかを強化しました。また、サンフランシスコのJapantownでのPaper Treeの折り紙をデジタル化し、エキサイティングなストアフロント体験を創造することができました。
開発者やコンテンツクリエイターは、ARCoreとGoogle Maps Platformのフォトリアルな3Dタイルを活用したGeospatial Creatorを利用して、数分で洗練されたAR体験を制作できます。これは、コーディング能力がほとんどない人々でも可能です。昨年、GoogleのImmersive Geospatial Challengeに参加した2700人以上の開発者が、エンターテインメントやイベント、地域発見、旅行、コマースなど多くの用途のためにこのツールを活用しました。
ARコンテンツをGoogleマップで発見
新しい試みとして、Googleは特定のパートナーからの素晴らしいARコンテンツをGoogleマップで紹介するパイロットプログラムを開始しました。このプログラムは、世界中で10億人以上が利用するGoogleマップで、ユーザーが場所を検索すると、近くにARコンテンツがある場合に表示されます。
- ユーザーは、Googleマップで選択した観光地が近くにある場合、「AR体験」の画像をタップしてスマホを持ち上げるだけで、AR体験を楽しむことができます。
- 遠隔地を探索している場合も、ストリートビューを使って同様のAR体験を見ることができ、どこにいても楽しい体験を提供します。
- また、ユーザーは体験をSNSでシェアするためのディープリンクURLやQRコードを使うことができます。
パイロットプログラムの展開
この早期アクセスプログラムは、シンガポールとパリで今年後半に開始予定で、6か月間のパイロットです。シンガポール観光局やGoogle Arts & Cultureと協力して、人気の観光名所を楽しむための実用的なAR体験の事例を構築しています。
シンガポール観光局は、Merli’s Immersive AdventureのAR体験を超えて、街中の主要観光エリアに新しい魅力的なポイントを追加しました。ユーザーはシンガポールのチャイナタウンやパークの庭園を散策し、地元料理を楽しんだり、さらには伝説のドラゴンダンスのセレモニーを見ることができます。
Geospatial CreatorとARCoreのアップデート
Googleは、ARコンテンツ制作体験をさらに向上させるために、Geospatial Creatorの様々な新機能を展開しています。
- Adobe AeroのGeospatial Creatorが全世界のクリエイターに開放されました。これにより、世界各地の開発者が待たずにAR体験を構築できるようになります。
- ローカライズスピードとアンカー精度の向上により、ARの配置がさらに正確になります。
- Unityエディタを使用して、C#プログラミング言語でスケールに合わせてアンカーを調整できるアップデートがリリースされました。
- Places APIをGoogle Maps Platformから利用することで、開発者は同じコンテンツを複数の場所で一度に利用できるようになり、より便利な情報を提供します。
新技術による未来の可能性
また、ARCore Geospatial APIのカバレッジがインドにも拡大予定です。この国では、数多くの革新的なクリエイターやエンゲージされた視聴者が集まっており、Androidを最初のプラットフォームとして新たな体験を作り出すことを楽しみにしています。
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